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スペイン・サンチャゴ巡礼の旅 NO3

<出発>

さあ、出発だ。65歳、一人旅の始まりである。行きは成田発21:55。空港でCDプレーヤー(1万円)と国際テレホンカード(7千円)を買う。CDのフロッピーは家から6枚持参した(お気に入りの「大黄河」「新世界紀行」「白鳥の湖」「ショパン・ピアノ曲」など)。

  飛行機は空いており、3つの座席を独占し横になってぐっすり眠ることができた。現地に着いても、時差ボケに悩まされることがなかったのは、そのお陰かもしれない。

<サンチャゴ巡礼とは>

  中世のキリスト教世界には3大巡礼地があった。キリストの墓を詣でるエルサレム巡礼、聖ペテロの墓を詣でるローマへの巡礼、聖ヤコブ(スペイン名・サンチャゴ)の墓を詣でるサンチャゴ巡礼の三つである。

 サンチャゴについては、9世紀頃、この地にキリストの12弟子の一人、聖ヤコブの墓が発見され(西暦44年頃エルサレムで殉教。遺骸がスペインに船で運ばれたという伝説による)、10世紀頃に巡礼路が開かれた。聖都・サンチャゴの正式名称は「サンチャゴ・デ・コンポステーラ」-「星の野原の聖ヤコブ」の意味である(なお、天の川は「聖ヤコブの道」と呼ばれている)。

 巡礼最盛期の12世紀には、年間、50-100万人の人がヨーロッパ各地から訪れたと言われており、今でも年に数万人の人が歩いて、あるいは自転車でこの地に向かう(現代は、このほかに鉄道、飛行機、自動車でサンチャゴを訪れる観光客が年に数百万人はあるという。日本からは、巡礼路沿いの大都市をバスで訪れるツアーもある)。

 「カミーノ・デ・サンチャゴ」(通称、「カミーノ」。道の意味)と呼ばれる、サンチャゴを目指す巡礼路はいくつかある。東から西へのもの、南から北へのもの、海岸沿いを行くもの、内陸を行くものなど。このうち、ほとんどの人は、東から西へ内陸を行く「フランス道」と呼ばれる道を歩く。この道はヨーロッパ各地から来て、ピレネー越えの二つの道(イバニエタ峠越えとソンボルト峠越え)に集約され、プエンテ・ラ・レイナで一本になる。

 フランス道を歩く場合、スペイン人の多くは国内東端のロンセスバジェスをスタート地点とし(国内からのバスがそこまでしか行かないため)、欧米人はフランス西端のサン・ジャン・ピエド・ポーをスタート地点とする(これだと、魅力的なピレネー山脈のイバニエタ峠越えが加わる)。もちろん、昔のように、フランスやオランダ・ドイツ・スイスなどの各地から歩き始める人もいる。

 また、この区間を何回かに分けて歩く人、後半だけを歩く人など、その一部だけを歩く人も多い(最後の100kmを歩いた人はサンチャゴの巡礼事務所で巡礼証明書がもらえ、それを目的に一部を歩く人もかなりいる。自転車は200km以上が条件。なお、800kmのうち、どこでも100kmを歩けばもらえるという話も聞いた。詳細は現地で確認されたい)。そのためであろう。後半はアルベルゲ(無料に近い巡礼宿。後述)の数や1軒当りの収容人員が増えるものの、歩く人も増えるので、宿は混雑する。

 歩くのは中世の人が歩いた道そのものである。ところどころ、農道や国道として舗装されており、その舗装路を歩くときもあるが、ほとんどは土や石ころの道である。ただし、その場合も、国道がこの道沿いにあとから作られており、あるときはすぐ近くを、ときには数km離れたところを通っている。峠越えのときも、この国道を歩いたり、そのそばを歩く。
また、道幅は広く、歩き易い。全行程のうち数ヶ所だけが幅50cm位で草むらに隠れたりしているが、大半は5m以上と広く、しかも、峠の場合も急な登り下りは全くない。

 2004年、2010年などは「聖ヤコブの年」と言われ、特に沢山の巡礼者が訪れ、アルベルゲは人であふれる。7月25日が日曜日に当たる年であり、1971、7682、93、99、200410、21、27などの年がそれである。

その他、いくつか。

☆ サンチャゴ巡礼のしるしは帆立貝。

 
これをザックに着けて、杖をついて歩く-もっとも着けていない人もかなり見かけたが。私はサン・ジャン・ピエド・ポーの巡礼事務所から無料でもらい、ずっと着けて歩いた。
 みやげも、帆立貝をかたどったものが多い。

☆ 巡礼宿に泊るには、巡礼手帳が必要。また、巡礼証明書の入手方法は?

 「巡礼手帳」
は出発地点の巡礼宿や教会で簡単に入手できる。名前やパスポート番号を記入の上で交付され、泊る都度、その宿に固有の印が押される。
 宿泊場所の印がずらりと並んだ手帳は、巡礼をしたことのこの上ない記念になるので、歩く間は、パスポートと同じ位に大切であり、無くさないようにいつも注意をしていた。

 「巡礼証明書」も後日、記念となる。これはサンチャゴに到着して巡礼事務所に行くともらえるが、もらうには、最低、サンチャゴへの最後の100kmを歩くことが条件で、その証しとして巡礼手帳を提示する必要がある。

☆ 「青地に白いほたて貝のマーク」

 「青地に白いほたて貝のマーク」や「黄色い矢印」の道しるべが、家の壁や樹木等、いたるところにあるので、道に迷う恐れはほとんどない。町の中では数十mおき置きにある。

 私が道に迷ったのは4回。暗くて道しるべを見落としたときと、別れ道の両方に道しるべがあるときだった。両方にあるのは、先に行って合流するか、一方がアルベルゲに行くかのときである。

☆ 巡礼者用の水飲み場(「フエンテ」という)

 巡礼者用の水飲み場はまちや村の広場にたいていある。森の中にあることも。冷たい湧き水である。私は胃腸に悪いのではと注意して、常にミネラル・ウオーターを買って飲んだが、私が旅の途中で会った日本の若者達はフエンテの水を飲んでいた。硬水だが(日本は軟水)、お腹は大丈夫とのこと。人によるようだ。

☆ トイレ

トイレは、歩いて数時間の距離に点在するまちや村のバル(喫茶店兼飲み屋。後述)にしかない。野山を歩く間は自然の中でとなる。誰もがそうしていた。

☆ その他 

 なお、欧米の人達がこれらの旅を気楽に楽しめる背景には、巡礼路に宿泊費の極めて安い宿がそろっているだけでなく、働いている人でも1ケ月程度の長期休暇が可能という事情がある。これは日本と大きく異なる点であろう。

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